カヤックフィッシングで大物を釣るために

今日は、釣りのことを書きますが、僕は釣りのプロじゃないし、まだまだ未熟だと思っていて、神の領域に達している人達に憧れている、ただのアングラーです。
なので、ここに書くことは、正解か不正解か解りませんよってことです。

この記事は、僕の大切な釣り友達に捧げる内容です。

僕の大切なカヤック釣り仲間から、こんなメールが届いた。

「突然の大物という場合の釣り方というものを、GTやチャイロマルハタ、などの大物の場合、どんな具合にやるんでしょうか?」

どうやら、カヤックで大物をフッキングしてPE1.5号をぶっちぎられたらしい。
魚はヒラマサらしい。

僕は加計呂麻島のカヤックフィッシングでは、主にPE1.7号リーダー8号を使っている。
浅場のハタ狙いではPE1~1.2号。
大物が廻る冬にはPE2号リーダー10号。
魚種にもよるけど1.7号で20kg前後ぐらいの魚をキャッチできると想定している。

今までPE1号で13kカマスサワラ、6.6kスマなどキャッチしていて、1.5号で20kg弱ぐらいまでのGTは何本か上げている。

13kgほどのチャイロマルハタは、1.7号で上げたけど、スプリットリングがのびていて驚いたな。

カマスサワラ13kg PE1号

使用しているメインライン

小さいタックルでの大物ファイトをする前に

ここでのポイントは、小さいタックルだという事。
難易度が上がります。

タックルの弱点を熟知する

引っ張り強度的に、自分のタックルの弱点は知っておかねばならない。
その弱点が、どれぐらいのテンションで切れるかもだ。
自分のラインやノットが、どれぐらい引っ張ったら切れるか実験してみた。
新しいラインやノットを使う時も、切れるまで引っ張りテストをしてみよう。
この切れるか切れないかの感覚が解っていると、魚とのやり取りで有利になる。

僕の場合は、弱点がハリである事も。
繊細なハリを使うと、そのハリが伸びきってしまう。
根魚狙いの時は、ショックリーダーを弱点に設定。

何処で、何故ラインが切れたか?分析する

・多くの場合は、根ズレでリーダーから。
・結束で切れていたら、分かりやすいノットミス。
・リングとリーダーというのもある。
・PEで切れていたら、ラインが痛んでいたか?岩で擦ったか?
・リーダーよりPEの強度が弱い場合もPEが切れる。
・加計呂麻では、サメやフグにアシストライン噛み切られる事が良くある。

先手を取るファイト

魚が針にかかってから、魚とのファイトが始まるけど、
実は、針にかかる前からファイトを有利に進める準備をする。
すると、フッキングから早い対応ができて、主導権を握りやすい。

要注意
間違っても、最初のアタリだけで大きさを判断しないように。
小さいと思っていた魚が大きかったら、釣り人は不利な状況からファイトがスタートしますから。

① 魚種を判断する

ジギング、特にスローピッチでは、様々な魚種が釣れるので、何が釣り上がるか分からない面白さがある。
しかし、不意の大物をキャッチするには、掛かった瞬間から、何系の魚か判断したい。

釣れる魚種は、ある程度予測できる

例えば、岩礁域でハタを狙ってスロー系のジグでコツコツ底を叩いていて、着底直後のジャークで重い当たりが有れば、おそらくハタ類や根魚。

また、海底が砂で中層で大型がフッキングしたら回遊魚の確率が高い。

それと、ジグの種類と動かし方でも釣れる魚種が変わるので、今の動かし方で掛かる魚もイメージする。

もちろん、予測通りにいかない。
予想と違う事は、魚の振動が手から伝わる。
その時の対応力は感覚を研ぎ澄まして、一瞬で対策を変更する。

僕の場合、感度が高いタックルなので、基本的にバイトした瞬間から手に伝わる振動で魚種を断定する作業を脳で行う。
泳ぎ方、頭の振り方、強さ、様々な情報から。
とにかく、手に伝わる情報が最も重要なのだ。

② 海底の水深と魚をフッキングした水深、それと、どれだけラインが引っ張り出されたか?

水深60mある場所で、55mで掛かった魚が20m糸を引き出したら、糸が岩に擦れる可能性が高いが、40mで掛けて、10m出しても中層である可能性が高い。

根を切っているか?どうかで、こちらの対応は大きく変わるから、水深の把握はとても重要なのだ。

それと、水深50mで掛けた魚が20m糸を出すのと、100mで掛けた魚が20m糸を出すのでは、同じ地形の場合、深い方が有利にファイト出来る。
浅い場所で大物釣るのは難易度高いんです。

③ ポイントの地形と地質を知っておく

釣りをしているポイントが岩礁域で尖った岩があるなら、糸が擦れて切れやすくなるし、砂地や泥の様な柔らかい地質なら糸が切れにくい。
これもまた、知っているのとそうでないのでは、対応が違ってくる。

大物とのやりとりGT編

最近釣ったGT15kgほど。2020年5月

僕の釣っているエリアでは、20kgぐらいまでのGTが年に10匹ぐらいかな?
ジギングで釣れる。
GTは釣れる場所、水深、まるで決まりがなく、何処で掛かるかも予測できない。
ジグの種類やジャークにも決まりがなく、60gほどの小さいジグにも15kgほどのGTが掛かったりする。

上の①〜③までを完璧に頭で整理して、理想的なジャークで釣りをしていると、
突然、その凄まじい魚とのファイトが始まる。

フッキング

ガツンと強いバイトと同時に、20kgクラスだとドシッと重たい手応え。
その直後ドラグが止まらない。


バイトの後、あまりリールが巻けない印象。(カンパチやカツオ類は、下から上に突き上げてバイトすると、反転するまでリールが巻ける事もある。)
フッキングの重さで、とにかく大物である事が予測できるので、
「何処までも走って下さい。」という感じで、魚に行かせる。
ラインが何メートル出ているかは、冷静に確認。
魚が止まるまで、とにかく行かせる。
何故なら、絶対に止まらない、止めたら切れるパワーだから。
もし、浅かったり岩礁域だったら、さらにドラグを緩める。
魚が走るパワーが強いと、ドラグから糸がスルスル出ていても根ズレするリスクが高いから、さらに緩める。
すると、たいていの魚は数十メートルで止まる。(PE1号で6.6kgのスマ掛けた時は100mぐらい走らせました。)

リールを巻く

魚が止まったら、いよいよリールを巻き始める。
頭を振ったり、魚の種類が絞り込めるのだけど、GTは個体差もあるが溢れるパワーが特徴かな?マグロ類みたいなバイブレーションも無い。
ファイト中にGTだと分かる事が多い。

ここからは、魚を怒らさない様に優しく巻いて、巻けるだけ巻いて、走ったら走り出しを吸収する様に流す。
決して無理に引っ張らない。
ここで引っ張りすぎると、僕の場合はハリが折れたり曲がるリスクが上がる。
時間が経過すればするだけ、魚が消耗するので、大きい魚ほど時間をたっぷり使う。
カヤックも引っ張らせる。(本当にエンジン付きみたいに走ったことがある。メリーゴーランドみたいに回ったことも。)

要注意
特にスローピッチ系のロッドは、ロッドを立ててファイトしない。
折れやすいから。
ストレートファイトで対応。

できたら、パワーファイトしないで、魚が気がついたら水面に運ばれていたというのが、理想のイメージ。
慣れてくると、体力の消耗も少ないので、小さな力で大きな魚がキャッチできる。

ランディングからリリース

ある程度深い場所で掛けたGTは水面付近に来る頃には、浮き袋が膨らんでパワーダウンしている。
とはいえ、GTなので気をつけながらランディングして、ハリを外してあげる。
特にゼイゴの切れ味が良いので、ゼイゴに触れてケガをしないように。
ファイト時間が長くて、水深が深い場合は、潜る体力が弱いみたいなので、浮き袋の空気を抜いてあげる。(空気抜き用の小さなハリを用意しています。)
ファイト時間が短ければ、そのままでも元気に帰って行くみたい。
こうして、GTとのファイトは終わるのでした。

はじめてGT釣った時は、無知な僕はパワーファイト。
7kgほどのGTだったけど、腕がパンパンで筋肉疲労が酷かったから、しばらく休息したのを覚えている。
今なら、20kgあげても、直後に釣りを再開できる。
要は、無理な力を使わないファイトにしているから。

このGTを釣り上げたpukapukaringoさん。
当時カケロマのおじさま達に激震が走りました。
「なんで、こんな細い娘っ子が、こんなデカイ魚を釣れるんだ!?」
最近は、おじさま達からライバル視されているとか。

こうして、釣りに魅了されていく

簡単に書くつもりが、長編になってしまい、GT編だけになってしまった。
でも、ライトなタックルで大物釣るのは共通している部分が多いと思います。
実は、沖合で掛かるGTは、そんなに根に突っ込まない印象なので、キャッチしやすい大型魚だと思っています。
最近は、ほとんどGTをキャッチ直後リリースしているから重さも計っていないけど、1年半ぐらい前にPE2号で、おおよそ30kgほどのGTが僕のレコードですね。
pukapukaringoさんは、25kgぐらいです。
海には40kg、50kgといるはずなので、そのうち対面する事があるかと思うとワクワクしますね。

加計呂麻で一緒にカヤック釣りする友達も、意外とGTをキャッチできていないので、是非チャンスをものにしてもらいたい。

カヤックでGTをキャッチする仲間を目の前で見るのが、楽しみの一つでもあります。
30kg超えられたら悔しいけどね。

次回、タックルの紹介編へ続く。